行政監視研究会

必読の文献

田中祥貴「参議院と憲法保障」法律文化社

・著者は、元参議院憲法審査会客員調査員の田中祥貴先生(桃山学院大学法学部教授・憲法学)
2022年度日本公共政策学会「著作賞」を受賞
・「英国上院における委任立法統制の先例の比較研究により日本の立法府の機能についての問題提起と大胆な制度改革の構想を提案したこと」が受賞理由です。

本書は間違いなく、参議院改革に有益な重要参考資料になると荒井達夫は断言します。特に参議院に憲法問題を精査する「憲法委員会」と委任立法を統制する「委任立法委員会」を創設するという田中先生のご提案は、制度の根本的改革のみならず、現在の委員会運営の改善を促す重要なアイデアを含むものであると考えます。

かつて田中教授は、官僚支配という我が国政治行政に特徴的な現象に注目して委任立法統制のための議会拒否権制度を研究し、「委任立法と議会」(日本評論社)を著しました。この視点そのものが国会による行政統制―「行政監視」を考えるに極めて重要であり、その問題意識自体が高く評価されるべきですが(※)、本書はそれに続く貴重な研究成果であると言えます。国会関係者の皆様には是非本書を一読されることをお勧めします。
2014.11.12参議院憲法審査会 矢倉克夫議員発言PDFファイルを表示
※2015.2.25参議院憲法審査会 西田実仁議員発言PDFファイルを表示
※2014.5.14参議院国の統治機構に関する調査会 中島忠能参考人(元人事院総裁)・風間直樹議員発言PDFファイルを表示

なお、「行政監視」と「憲法保障」は深い関わりがあります。これらはどちらも、民主主義の原理に基づき、法が主権者国民に対して誠実に執行されているかどうかを見張るという意味合いを持っています。「行政監視」とは法律の誠実な執行を監視することであり、「憲法保障」とは憲法の誠実な執行を監視することです(※)。参議院人事行政監視院+衆議院会計検査院、委任立法委員会+憲法委員会の創設で、国会が現実に国権の最高機関として機能することになる、と実務家の私は本気で考えています。「行政監視」と「憲法保障」が日本を変えるいうことです。
※2022.11.9参議院憲法審査会 西田実仁議員発言PDFファイルを表示
※2016.2.17参議院憲法審査会 荒井達夫参考人発言
PDFファイルを表示
※2016.7.3朝日新聞社説「参議院の存在意義 法の支配の守護者として」PDFファイルを表示

「行政監視研究会」は、元国会職員で大学教員の荒井達夫が主宰する「行政監視」に関する研究会です。
「行政監視」は、国会の議員と職員という実務家が切り開く新しい学問分野です。
このホームページ(2022.8.26公開)では、「行政監視」に関する最先端の国会論議を紹介します。

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